技術シーズ
羊膜間葉系幹細胞
羊膜間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell:MSC)は、羊水を覆う羊膜に存在する体性幹細胞であり、再生医療向けの細胞として有望視され、臨床応用への研究が進められています。
当社が事業化を進めている羊膜MSCに関する培養・保存技術は、弊社代表取締役山原研一が開発し、下記の研究成果が生み出され、知財化されています。
①株式会社ジャパン・バイオメディカル(https://www.japan-biomedical.jp)が製造する国産ウシ血小板溶解物「NeoSERAⓇ」を原材料とする羊膜MSCの製造法(特許第6212723号)
②ドライアイスで輸送可能な羊膜MSC製剤の開発(極東製薬工業株式会社との共同出願:特願2018-171637号)
羊膜MSCを用いた臨床応用研究としては、弊社代表取締役及び兵庫医科大学先端医学研究所分子細胞治療部門山原研一部門長・教授らの研究グループによって、医師主導治験がスタートしております。
当該臨床研究は、兵庫医科大学を実施機関とする羊膜MSCを用いた世界初となる急性移植片対宿主病(GVHD)およびクローン病を対象とした治験であり、これら難治性疾患に対する新たな治療法につながる研究として期待されています。
また、急性GVHD・クローン病以外の難治性疾患を対象とした羊膜MSCに関する基礎・臨床研究を、兵庫医科大学・大阪大学のさまざまな臨床・研究部門と共同で推進しております。
兵庫医科大学発ベンチャーである当社は事業推進のため、兵庫医科大学から羊膜MSCの製造法や臨床応用に関する技術指導を受け、実用化に向けた開発を進めていきます。
臍帯間葉系幹細胞
臍帯MSCも、羊膜同様胎児付属物由来の体性幹細胞であり、多くのアカデミア・企業が臨床応用研究が進めています。
我々も、弊社取締役相馬俊裕を中心に臍帯MSCに関する基礎研究を進めており、初代培養から大量の臍帯MSCを取ることに成功しています。これに羊膜MSCの培養・保存技術と融合させ、生産効率の高い臍帯MSC製剤に仕上げています。
Angiogenesis-inducing Cells (AiC)
我々は臍帯血を、ES/iPS細胞からの血球・血管細胞分化誘導に利用されるOP9フィーダー細胞と18-24時間共培養することにより、マトリゲル上で豊富なネットワーク形成することを見出しています(特許出願中)。この変化において、M2マクロファージが優位に増加していることを確認しており、マウス脳梗塞モデルにおける細胞移植では、その血管新生効果と脳梗塞後遺症の減弱を確認したことから、Angiogenesis-inducing Cells(AiC)と名付けています。
この変化は臍帯血のみならず、骨髄や末梢血単核球でも見られることから、自家・他家両方でのさまざまな虚血性疾患に対する治療応用を目指し、兵庫医科大学先端医学研究所・脳神経外科学と共に様々な検討を進めております。