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​アカデミア発細胞治療シーズの研究開発支援

​我々は、羊膜MSCを含む胎児付属物由来細胞の基礎研究や製品化を通じ、知財化・当局対応を含む、細胞治療の臨床応用に必要なさまざまなノウハウを蓄積しております。

このようなノウハウを、アカデミアが有する様々な細胞治療シーズに提供することで、研究開発から臨床応用まで幅広く支援できると、我々は考えています。

重症下肢虚血を対象とした自家骨髄・末梢血単核細胞、CD34陽性細胞などの細胞移植による血管新生療法の開発が行われていますが、その有効性は未だ十分なものではありません。重症下肢虚血において最も症例数の多い閉塞性動脈硬化症が原因の場合、標準治療である血行再建術、特に血管内治療の有効性が高いことから、毛細血管・細動脈レベルの再生である細胞移植による血管新生療法の効果を示すことは困難なことが原因として考えられます。

 

 一方で、細胞移植による血管新生効果は、移植細胞自らが新生血管になる直接的な寄与よりも、移植細胞が分泌する血管新生因子による間接的な寄与が重要とされています。しかし、単核細胞等の移植細胞はそのほとんどが早期に体循環に移行し、虚血組織に留まることが少ないと報告され、移植細胞を長期間虚血組織に留まらせることができれば、血管新生効果の飛躍的な向上が期待できると考えられます。

 そこで、近畿大学古薗勉先生や大阪公立大学福本真也先生は、細胞移植による血管新生療法の更なる向上を目指して、移植細胞と接着させて移植可能な基材injectable cell scaffold(ICS)の開発を開始しました。ICSは直径約50umの球状構造であり、中心部は生体吸収性高分子、表面はハイドロキシアパタイト(HAp)単結晶で被覆されています。HApは細胞接着能を有するため、移植細胞をその表面に担持することができ、虚血組織に移植細胞を長時間留めることで、高い血管新生効果を発揮します。

 

 弊社代表取締役山原研一は、ICSの臨床応用に向け、先生方にその医療機器化を提案し、AMED医療機器開発推進研究事業の支援を受け、PMDA対応や生物学的安全性試験の実施を進めてきました。ICSの特徴は、非常に安価に作製できること、また、移植細胞は臨床で汎用されているアフェレーシス装置を用いた末梢血単核細胞とすることで、従来の再生医療等製品とは異なる非常に安価かつ安全な細胞移植が繰り返し可能となります。

​ 現在、AMED橋渡し研究プログラムの支援により、ICSを用いた重症下肢虚血向けの医師主導治験が兵庫医科大学病院にて実施準備中であり、将来の製造販売承認が期待されます。

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